診療放射線技師国家試験要点まとめ&国試1日1問(解説付き)

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放射性核種の無担体分離法(その他)

放射性核種の無担体分離法には以下の5つがある。

 

①共沈法

 

②溶媒抽出法

 

➂イオン交換法

 

クロマトグラフィ

 

その他

 

今回は⑤その他について解説する。

その他の放射性核種の無担体分離法には以下の方法がある。

 

電気泳動

・ラジオコロイド法

・電気化学的分離法

・ジラードチャルマーズ法(ホットアトム法)

・蒸留法

 

電気泳動法》

 

電解質溶液(電解液)に浸したろ紙の両端に電圧をかけて、電解液内のイオンを、電荷の大きさ、粒子の形、大きさの違いにより分離する。

 

・支持体にろ紙を用いたろ紙電気泳動、支持体にポロアクリルアミドゲルをガラス管に充填したものを用いたディスク電気泳動という。

 

《ラジオコロイド法》

 

・ラジオコロイドがろ紙へ吸着する性質を利用。濾過による分離。

 

保持担体を添加する。

 

・溶液はアルカリ性にする。

 

《電気化学的分離法》

 

・電気化学的分離法には、試料溶液に電圧をかけて酸化還元反応をおこし放射性核種を分離する方法がある。

 

・電気化学的分離法には、金属元素イオン化傾向の差を利用した分離する電気化学的置換法内部電解法もある。

 

イオン化傾向は、イオンになりやすい順から、K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au となる。

語呂「貸そうかな、まぁ あてにするな、ひどすぎる借金」

 

《ジラードチャルマーズ法(ホットアトム法)》

 

・核反応によって生成したホットアトム(反跳原子)の反跳エネルギーを利用して分離する。

 

《蒸留法》

 

・沸騰させて得られた気体を再び冷却して液体として得ることを蒸留という。

 

揮発性化合物や揮発性元素(Ge、As、Seなど)の放射性同位体蒸気圧の差蒸気のなりやすさ)を利用して分離する。

 

・蒸気圧の差によって、蒸気になりやすさに違いが生じる。蒸気圧が高いと蒸気になりやすく、蒸気が低いと蒸気になりやすい。