診療放射線技師国家試験要点まとめ&国試1日1問(解説付き)

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放射化学(標識化合物の合成法)

今回は標識化合物の合成法についてです。

Q1.化学的合成法とは?
Q2.化学反応を用いた合成法です。特徴としては標識位置を自由に選択できること、比放射能放射能化学収率を変えられること、短時間の合成が可能であることが挙げられます。
ただし、生合成法のように複雑な化合物の合成が苦手です。

Q2.生合成法とは?
A2.植物や微生物などの生物の代謝反応を利用して合成する方法です。化学合成法では難しかった、ホルモンなどの複雑な化合物の合成が可能です。炭素などで標識します。
一方で、比放射能が低く、標識位置、比放射能、収率を自由に選択できません(化学的合成法ではできます)。

Q3.ホットアトム法(ジラードチャルマーズ法)とは?
A3.核反応より得られるホットアトムを利用した標識化学的合成法です。特徴としては、種々の標識化合物の混合物ができる、標識位置を特定できない、比放射能の高い生成物が得られることが挙げられます。

Q4.ウィルツバッハ法とは?
A4.同位体交換法の一種で、トリチウム(3H)の合成法 です。

Q5.スズ還元法とは?
A5.99mTcの標識法の一種で、還元剤にSn(スズ)をもちいます。

Q6.たんぱく質の放射性ヨウ素標識法とは?
A6.直接標識法と間接標識法に分けられます。

Q7.直接標識法とは?
A7.クロラミンT法、酵素法(ラクトペルオキシターゼ法)、ヨードゲン法がこれに該当します。
放射性ヨウ素チロシン残基、ヒスチジン残基に結合させます。
ただし、直接法は酸化剤を用いるため、たんぱく質へ影響を与えます。とくにクロラミンTの酸化力は強いため、たんぱく質が失活しやすいです。

Q8.間接標識法とは?
ボルトンハンター法のみが該当します。
チロシンヒスチジン残基がない場合などにリジン残基に結合させます。
酸化剤を使用しないため、たんぱく質に優しいです。
しかし、標識に時間がかかる、クロラミンT法より標識率が低いなどの欠点があります。