放射性核種の無担体分離法(共沈法)
放射性核種の無担体分離法は4つ。
①共沈法
②溶媒抽出法
➂イオン交換法
今回は、①共沈法の説明。
《 共沈法 》
・共沈法は目的RIを含む溶液に担体を加え、沈殿反応を利用。分離を行う。
・沈殿の生成には溶解積が関係している。
・加える担体はその用途によって呼び名が変わる。
⇒ 捕集材 , スカベンジャ , 保持担体 となる。
《基本用語の説明》
・捕集材
⇒共沈剤ともいう。目的核種の沈殿に使用する担体。
・スカベンジャ
⇒捕捉剤ともいう。目的核種以外の核種の沈殿に使用する担体。
・保持担体
⇒目的核種を溶液内に留めておくために加える担体。
《 ¹⁴⁰Ba‐¹⁴⁰La分離 》
・唯一国試で出題歴のある、共沈法による分離の例。
・共沈はアルカリ性の環境下にておこなう。
・保持担体:Ba²⁺
共沈剤 :Fe³⁺
スカベンジャ:なし
《担体と比放射能の関係》
・担体を加えたときの比放射能はどうなる?
⇒国試では担体=同位体担体と考える。したがって、比放射能は低下する。
・スカベンジャ、捕集材、保持担体を加えたときの比放射能はどうなる?
⇒比放射能は不変。
《注意》
厳密には担体=同位体担体ではない。しかし国家試験は、受験生に、このように解釈させ、「担体(=同位体担体)を加えた際の比放射能は低下する」と解答させたいようだ。