放射性核種の無担体分離(クロマトグラフィ)
放射性核種の無担体分離には以下の5つがある。
①共沈法
②溶媒抽出法
➂イオン交換法
⑤その他
今回は➃クロマトグラフィを解説。
《クロマトグラフィ》
・ペーパークロマトグラフィ
・薄層クロマトグラフィ
《ろ紙(ペーパー)クロマトグラフィ》
・ろ紙を用いたクロマトグラフィ。
・毛細血管現象を利用し分離。
・ろ紙(の繊維状に保持された水)が固定相にあたる。
・展開液(溶液)が移動相にあたる。
・分離の指標をRf値という。
Rf値 = 原点から放射性核種の移動した距離/ 原点から溶媒先端までの距離
《薄層クロマトグラフィ》
・ろ紙の代わりに吸着剤(アルミナやシリカゲル、セルロース)を用いたクロマトグラフィ。
・原理はろ紙クロマトグラフィに類似。
・薄層板(吸着剤の細かい粉末でできている)が固定相にあたる。
・展開液(溶媒)が移動相にあたる。
・分離の指標にはRf値を用いる。
・ろ紙クロマトグラフィに比べRf値の再現性ではやや劣る。
・ろ紙クロマトグラフィに比べ、よく分離し、展開時間が短い。
《ガスクロマトグラフィ》
・カラム(充填剤入り)中にキャリアガス(ヘリウム、窒素)とガス状の試料を流す。その結果を検出器で検出する方法。
・充填剤と試料の間の分配の差を利用し分離。
・充填剤が固定相にあたる。
・キャリアガスが移動相にあたる。
《高速液体クロマトグラフィ(HPLC)》
・カラム(超微細充填剤入り)に液体を高圧ポンプで流す。その結果を高感度検出器で検出する方法。
・充填剤が固定相にあたる。
・液体が移動相にあたる。