放射性壊変(α、β壊変) 放射化学
今回は放射性壊変についてです。私の個人的な話しですが、この分野の知識は中々頭に入ってこず、覚えては忘れの繰り返しでした。(なんとか国試には間に合いましたが…)
しかし、この分野は放射化学、放射線物理学、核医学検査技術学など、科目を問わずどこにでも現れやがります。
特に放射性壊変による原子番号および質量数の変化は超頻出テーマ。完璧に定着させておきたいところですね。
Q1.α壊変とは?
A1.壊変によりZ-2、A-4の変化が。α壊変の関連語に
ガイガーヌッタルの法則があります。
放出される放射線はα線とγ線です。
Q2.β壊変とは?
A2.β-壊変、β+壊変、軌道電子捕獲の3つに分かれま
す。
Q3.β-壊変とは?
A3.不安定な中性子過剰核種でおこります。
核内では過剰な中性子を陽子に変換して安定核にな
ろうとする反応です。壊変によりZ+1、A±0(変化
なし)の変化が起きます。
放出される放射線にはβ-線、反ニュートリノ、γ線
があります。
Q4.β+壊変とは?
A4.不安定な陽子過剰核種でおこります。
核内では過剰な陽子を中性子に変換して安定核にな
ろうとする反応です。壊変によりZ-1、A±0(変化
なし)の変化が起きます。
放出される放射線はβ+線、ニュートリノ、γ線、消
滅放射線(0.51MeVを2本)です。
Q5.なぜβ+壊変で消滅放射線が発生するのか?
A5.運動エネルギーを使いきったβ+はβ-へと変化しま
す。
しかしβ-は不安定なため、2本の消滅放射線
(0.51MeV×2本の電磁波)を放出(物理消滅といいま
す)します。
Q6.軌道電子捕獲とは?
A6.electron capture(EC)ともいいます。
β+壊変を行う際、壊変に必要なエネルギーを持たな
い核種は、β+壊変を行う代わりに、原子核が軌道電
子を捕獲し安定化します。
これを軌道電子捕獲(EC)といい、K殻でよく起こり
ます。
Z-1、A±0というβ+壊変と同様の変化があります。
放出される放射線にはニュートリノ、γ線がありま
す。
さらに、捕獲後には軌道電子に空位ができるため特
性X線またはオージェ電子が放出されます。
核異性転移、内部転換電子は放射線化学(放射性壊変②)で解説しています。