診療放射線技師国家試験要点まとめ&国試1日1問(解説付き)

合格点取るために必要かつ十分な知識、ムダのない効率の良い勉強をサポート…を意識した要点まとめ

放射平衡 放射化学

今回は放射平衡についてです。ジェネレータを理解するための基礎となる分野です。今回紹介する知識の中で放射平衡の式はよく出題されます。しっかり暗記しておくと得します。ただし、とにかく覚えにくいです。何度も見直すことが大事だと思います。

Q1.放射平衡とは?
A1.逐次壊変(壊変系列)において、親核種の半減期が長く、娘核種の半減期が短いときに、一定時間後に親核種と娘核種の原子数の比が一定になり、親核種の半減期に従い娘核種が減少していく。このような状態を放射平衡といい、過渡平衡と永続平衡に分けられます。
※ここで注意していただきたいのは、「原子数の比が一定になる」というフレーズです。「原子数が同じになる」わけではないので、引っ掛からないように注意です。

Q2.過渡平衡とは?
A2.壊変が以下の条件にて起こります。

λ1<λ2
T1>T2

過渡平衡が成立する際、以下の式が成り立ちます。

原子数Nについて
Nb/Na=λa/λb-λa=Tb/Ta-Tb=一定
が成立します。

放射能Aについて
Ab/Aa=λb/λb-λa= Ta/Ta-Tb=一定(>1)
が成立します。

また、娘核種の放射能が親核種の放射能を上回ることもある、というのも過渡平衡の特徴です。(一応式から読み取ることは可能ですが、説明は割愛します。)
ただし、これは親核種からその娘核種への分岐比が100%という条件下においての話です。

Q3.永続平衡とは?
A3.壊変が以下の条件の時に起こります。

        λ1<<λ2
T1>>T2

永続平衡が成立する際、以下の式が成り立ちます。

原子数Nについて
Nb/Na=λa/λb=(Tb/Ta)=一定
が成立します。

放射能Aについて
Ab=Aa
が成立します。