放射性壊変(~壊変・~スペクトル) 放射化学
放射性壊変②ということで、①の続きです。
ここでは核異性体転移と軌道電子捕獲について触れます。
Q1.核異性体転移(IT)とは?
A1.核異性体がγ線を放出して安定化する現象でA(質量
数)、Z(原子番号)に変化はありません。
Q2.核異性体(isomer:アイソマー)とは?
A2.壊変後、励起状態から基底状態に戻るまでの時間が
比較的長い核種(半減期が長いもの)をいいます。
Q3.内部転換電子(IC)とは?
A3.壊変後励起状態にある核が、γ線を放出(=核異性転
移)する代わりに軌道電子を放出して安定化する現
象です。
AとZに変化はありません。
※厳密には壊変後励起状態ある核が、γ線を放出=核異性体転移ではありません。ただ国試本番で内部転換って何だっけ?となるくらいなら、少々こじつけて、核異性体転移と関連させて覚えておくのも、受験のテクニックとしてはありだと思い、このように書きました。
放射性壊変を学習する際、合わせて覚えておきたいのが壊変時に放出する放射線のスペクトルです。
以下のものが、まとめにまります。
よろしければ参考までにどうぞ。
・線スペクトル
→α線、γ線、内部転換電子、ECのニュートリノ、特性X線、オージェ電子、光電子、レーザー
・連続スペクトル
→β壊変で発生する電子・陽電子、ニュートリノ・反ニュートリノ、電子対生成の、電子・陽電子、制動X線、コンプトン反跳電子、チェレンコフ光
※線スペクトル、連続スペクトルの両方を書きましたが、とりあえず線スペクトルのみを覚えて、連続スペクトルの放射線=線スペクトルの放射線以外とだけ理
解しておけば大抵の問題はなんとかなると思います。
暗記事項を減らしたい方はよかった試してみてくだ
さい。