5月7日 国試1日1問 基礎医学大要(心疾患,血流循環)
問.
肺血流が増加する疾患は何か❓
解答.
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症
解説.
今回解説する内容は心疾患についてです。これから紹介する内容は心臓に関する基礎的な知識がないと理解するのに時間がかかるかもしれません。そういう方のために記事の後半に心臓の基礎知識をいくつか紹介してあります。よかったら参考にしてください。
・肺血流を心疾患の特徴は肺で循環した血液が左心系から右心系に流れる、いわゆる左右シャントの状態を作り出す疾患がこれに該当します。
・左右シャントを起こす心疾患は心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、心内膜床欠損症、動脈管(ボタロー管)開存症です。
・一方で、右左シャントの心疾患は肺血流の減少を起こします。これは全身を巡っ心臓に戻ってきた静脈血が右左シャントにより、肺へ行き動脈血に交換される前に、全身へ静脈血のまま送り出されてしまいます。当然、肺に血液が行っていないので肺血流は減少します。
※両シャントがどのようなものか原理を理解しておいてください。心疾患の具体例はとりあえず左右シャントの方だけで大丈夫です。だいたいの問題はシャントの原理と心臓の血液循環の経路や少し心筋についての知識があれば選択肢は対応できるからです。
ここからが後半です。
《心臓の基礎知識》
・血液循環の経路は静脈(静脈血)→右心房→(三尖弁)→右心室→肺動脈(静脈血)→肺(ここで静脈血は動脈血に交換)→肺静脈(動脈血)→左心室→(僧房弁)→左心房→(上行)大動脈
・心筋は左心と右心では左心の筋肉の方が厚いです。これは左心が全身に血液を送り出さなくてはならないためです。
また、左心の心筋がより発達しているということは左心の血圧は右心に比べ高いとも言えます。なので中隔欠損症で血圧の高い左心から血圧の低い右心へと血液が流れる(左右シャントがおこる)のも納得できます。