信号検出理論とROC解析 画像工学
まず、信号検出理論に関する重要語句の解説です。
・異常(または信号)があることを陽性という。
・異常(または信号)がないことを陰性という。
・異常(または信号)がある画像に対して、異常(または信号)がありと判断した場合を真陽性という。
・真陽性率(TPF)を感度という。
・感度は有病正診率(病気(信号)があると正しく診断(判断)した確率)ともいわれる。
・異常(または信号)がない画像に対して、異常(または信号)がないと判断した場合を
偽陰性という。
・真陰性率(TNF)を特異度という。
・特異度は無病正診率(病気(信号)があると正しく診断(判断)した確率)ともいわれる。
・FPF(偽陽性率)、FNF(偽陰性率)もある。(この2つには、感度、特異度のような特別な名称はありません)
・TNF+FPF、FNF+TPFは1となる。(※〇〇Fのうち、3文字目のFを除いた、TとF、PとNの組み合わせが全く一致しないものを足すと1になると無理やり覚える方法もあります。)
次にROC解析に関する重要語句の解説をしていきます。
《ROC》
・ROC解析はCTとMRI画像の病変検出能の違いを評価できる。
・ROC解析はコンピューター支援診断(CAD)の性能評価に用いる。
・ROC曲線作成過程にて、5段階のカテゴリーを用いた方法は評定確信度法である。
・ROC曲線作成過程にて、連続的な判定基準に応じたスコアを使う方法は連続確信度法という。
・評定確信度法は連続確信度法に比べ、観察者間の変動が大きくなる。
・ROC解析では刺激⁻反応行列が関係する。
・ROC曲線の縦軸はTPF(真陽性率,感度)である。
・ROC解析の評価にはAz(AUCともいう)と呼ばれるROC曲線下の面積を用いる。
・Azは1に近いものが望ましい。
・Azの最大値は1、最小値は0.5である。
・ROC曲線間の統計的有意誤差検定にt検定、Jackknife法がある。
・t検定は観察者間の変動のみを考慮した検定法。
・Jackknife法は観察者間の変動に加え試料間の変動も考慮した検定法。
・LROCはROCの病変(信号)の有無に加え病変の位置の検出まで考慮している。
・FROCは一枚の画像の中に複数個の病変を含んだものを対象としている。
・FROC曲線の縦軸はROC曲線と同じくTPFである。