X線管装置(X線可動絞り、付加フィルタ) 診療画像機器学
今回は暗記色の強い内容になっています。JIS規格も出てきます。国試突破のための知識を必要最小限の量書きました。
最初はX線可動絞りについて解説します。
《X線可動絞り》
・X線可動絞りには、上羽根、下羽根、奥羽根、付加フィルタがある。
・X線可動絞りの構造はX線管焦点に近い方から順に奥羽根、付加フィルタ、下羽根、ミラ―、上羽根となる。
・上羽根は使用するX線を必要最小限に設定。照射野の制限。
・下羽根は散乱線や漏れ線量を低減させる。
・奥羽根は焦点外X線の低減効果がある。
・付加フィルタの着用は被ばくの低減効果がある。
次はJIS規格についてです。JIS規格は理屈どうのこうのという話ではなく、そういう取り決めになっているものなので、頑張って正確な暗記を心がけましょう。
《X線可動絞り(JIS規格)》
・最大照射野はSID65cmで35㎝×35㎝を超えない。
・最小照射野はSID100cmで5㎝×5㎝以下。
・光照射野の平均照射野の照度はSID100cmで100lx以上。
・X線照射野と光照射野のずれはSIDの2%を超えない。
・漏れ線量は管電圧125kV以下の歯科用装置で積算値が0.25mGy/hを超えない。その他の装置では積算値が1.0mGy/hを超えない。
可動絞りの一部である付加フィルタ。付加フィルタについては多少掘り下げた問題も出題されます。ですので少々解説を加えておきます。
《付加フィルタ(一般撮影用)》
・総濾過は2.5mmAl以上
・一般的な材質にはAl、Cuが使用される。
・AlとCuを併用する場合にはCuをX線管側にする。
・装着により、被ばくの低減効果がある。
・装着により低エネルギー成分が減少。実効エネルギーが高くなる(線質が硬くなる)。
・画像のコントラストが低下(線質が硬くなるため)
・X線管への負荷が増大する。