5月1日 国試1日1問(放射線計測学)
出典: 第69回 午前 第79問(改)
問題.
化学反応を利用する線量計には何があるか(2つ)❓
解答.
解説.
《化学線量計の特徴》
・検出感度が非常に低く大線量の測定に用いられる。
⇒医療用や個人被ばくに使用されない。
・吸収線量の絶対測定に用いられる(フリッケ、セリウム)。
・化学線量収量はG値で表す。
《フリッケ線量計の特徴》
・鉄線量計ともいわれている。
・酸化反応を利用する。(Fe²⁺→Fe³⁺)
・感度域は~500Gy。
・G値:15.5[100eV⁻¹]=放射線化学収量:1.61[µmol・J⁻¹]
《セリウム線量計の特徴》
・還元反応を利用する。(Ce⁴⁺→Ce³⁺)
・感度域は~10kGy。
・G値:2.34[100eV⁻¹]=放射線化学収量:0.243[µmol・J⁻¹]
《G値とは❓》
・放射線吸収エネルギー100eV当たりに生成、変換される分子数。
⇒要するに線量計の感度のようなもの。というイメージできる(あくまでイメージ)。
《おまけ》
吸収線量の絶対測定に用いる測定器は、化学線量計のほかに、熱量計(カロリメータ)がある。
まとめると、
吸収線量の絶対測定:化学線量計(フリッケ、セリウム)
:熱量計(カロリメータ)
加えて、
照射線量の絶対測定:自由空気電離箱
も併せて覚えておくとよい。