診療放射線技師国家試験要点まとめ&国試1日1問(解説付き)

合格点取るために必要かつ十分な知識、ムダのない効率の良い勉強をサポート…を意識した要点まとめ

MRIにおけるSNRの増減 (5月23日 国試1日1問 診療画像検査学)

 

 

問.(オリジナル)

MRIにおいて低減させることにより、SN比が増加するパラメータの名称を2つ挙げよ。

 

 

解答.

受信バンド幅、TE(エコー時間)

 

解説.

SNRの増減に関する問題は以下の事項を暗記しておけば、大体の問題に対応できるようになります。

 

まず一つ目は、

 

SNRと反比例の関係にあるのは、受信バンド幅とTE(エコー時間)のみである。ただし受信バンド幅は平方根に反比例。」

 

二つ目は、

 

SNRは静磁場強度加算回数(NEX)の平方根に比例する。」

 

三つ目は、

 

上記の二つで述べたもの以外のパラメータはSNRに正比例の関係

 

これら3つを覚えてば、参考書等に箇条書きで書かれてある、SNRと各パラメータとの関係の羅列を一生懸命丸暗記せずとも、大体のこの手の問題に対応できるかと思います。

ただ、「ざっくりし過ぎじゃん!こんな暗記の仕方できないよ。」や「自分は厳密に暗記しなきゃ気が済まない」という方は、教科書や参考書には数式等用いて、しっかり解説されています。(この記事では省略します。)

可搬型X線装置 (5月16日 国試1日1問 診療画像機器学)

 

問.(第66回 午前 第19問)

可搬型X線装置の出力で多いのは何kW程度か❓

 

 

解答.

10~30kW

 

解説.

 

移動型携帯型がある。

 

・携帯型はX線管と高電圧発生回路が一体となっている(モノタンクという)

 

・インバータ式が主流である。

 

・インバータ式の出力は10~30kW程度。(例えば、50kWは高すぎる。)

 

・インバータ装置には変圧器型エネルギー蓄積型に分けられる。

 

・エネルギー蓄積型は電池エネルギー蓄積型コンデンサエネルギー蓄積型がある。

 

FPDを搭載した装置がある。

脳死の判定 (5月14日 国試1日1問 基礎医学大要)

 

 

問.(第62回 午後 第27問)

脳死と判定するための項目で、縮瞳は含まれるか❓含まれないか❓

 

 

 

解答.

含まれない

 

解説.

 

脳死の判定項目》

 

脳死の判定には以下の項目をチェックする。また、以下の条件に則して全ての人間を脳死と判定できるわけではなく、一部の人間はこれらの項目は適応されない

 

深昏睡

 

・両側4㎜以上の瞳孔散大

 

脳幹反射の消失

 

平坦脳波

 

自発呼吸の消失

超音波画像所見 (5月13日 国試1日1問 診療画像検査学)

 

問.(第64回 午前 第46問 改)

上部消化管画像において、肝腎コントラストの増大が見られた。このとき疑われる疾患は何か?

 

 

解答.

脂肪肝

 

解説.

超音波検査において、正常な肝臓と腎臓は同程度のエコー信号となる。しかし脂肪肝では、肝臓のエコーが増大してします。結果的に肝腎コントラストが増大します。

 

また腎臓のエコー画像では水腎症の画像所見もよく問われます。教科書等で特徴は押さえておく必要があります。

水強調画像・MRCP (診療画像検査学)

MRCPに関する問題は画像問題も出題されます。教科書、参考書等で画像を確認しておいた方がいいです。また、画像問題以外の形式で問われたときに対応できるように以下の項目くらいは知っておいた方がいいと思います。

 

・水強調画像(MR hydorography)は体内の水成分を高信号に描出する。

 

・撮像法はGRE高速SE法を用いる。TR,TEはできるだけ長く設定する。

 

・水強調画像の代表例にMRCPがある。

 

強いT₂強調像(heavy T₂)にて胆管膵管像が得られる(実質臓器の信号はほとんどない)。

 

・MRCP造影剤を使用しなくても撮像できる。

 

・造影剤を使用しなくてもよいため低侵襲な検査である。

 

・造影剤を使用する場合、使用する造影剤の種類は経口造影剤であるクエン酸アンモニウム塩化マンガン四水和物である。

 

・ERCPに比べ、MRCPは空間分解能が低い

元素名と元素記号の組み合わせ(国試1日1問 5月12日 放射化学)

 

問.(第63回 午前 第1問)

元素記号¹⁴⁰Laの元素名は何というか❓また、元素記号²³⁹Puの元素名は何というか❓

 

 

解答.

Laはランタンという。Puはプルトニウムという。

 

解説.

この問題の選択肢になっていた元素記号と元素の組み合わせは、Pd-パラジウム、Pb-鉛、Ce-セリウム、Cs-セシウム、Ra-ラジウム、Rn-ラドンです。

 

ここから先は高校化学を履修していなかった、または化学に苦手意識がある方に向けて書いています。 ↓ ↓

 

この問題は高校化学を履修していなかった人は、一瞬ハッとしてしまいそうです。そういう人はおそらくこの手の問題に苦手意識のようなものを感じている人も少なからずいる事でしょう。しかし、落ち着いて選択肢を見れば、他の科目の勉強で慣れ親しんでいる元素たちだと分かるはずです。

確かに国家試験では、高校化学の知識を問うような問題が出題されます。高校で化学を履修していない人には酷なことかと思います。そのときに投げやりな気持ちになってはもったいないかと思います。国家試験勉強で身に着けた知識を総動員すれば何とかなる問題もあります。よかったら心を落ち着けて問題に向き合ってみてください。

ただ、高校化学の内容といっても、意外と出題パターンは決まっていてポイントを押さえて勉強(暗記)すれば人並み以上にできるようになる分野だと思います。本ブログでは放射化学の国家試験出題ポイントを紹介しています。この記事の上の方にうっすら付いている「放射化学」のタグを押していただいたら、放射化学の記事一覧が出てきます。よろしければ参考までにどうぞ。

BOLD法のよるf-MRI (5月11日国試1日1問・診療画像検査学)

 

問.(第69回 午前 第17問 改)

BOLD法によるf-MRIの特徴として、投影データの解析は必要か❓不要か❓また、脳局所の何の濃度が信号強度に影響するか?

 

解答.

投影データの解析は必要。デオキシヘモグロビン濃度が信号強度に影響。

 

解説.

 

MRA(脳血流情報を反映したMRI)にはf-MRI、p-MRI、d-MRI(DWI)、SWI、DTIなどが国家試験においては代表的です。中でも今回は、f-MRIについて解説します。

 

《f-MRI

 

・f-MRI(ファンクショナルMRI)は機能画像ともいわれる。

 

・F-MRIBOLD法を用いて画像化する。

 

・BOLD法は脳の賦活化による、オキシヘモグロビンの増加デオキシヘモグロビンの減少を信号強度に反映させ画像化する方法。

 

・BOLD法にはGRE系のEPI法が用いられる。理由は磁化率効果を強調するためである。

 

・投影データの解析には統計解析ソフトウェア差分処理を用いる。

 

 

 

感想や質問など、よかったらコメントください。