MRIにおけるSNRの増減 (5月23日 国試1日1問 診療画像検査学)
問.(オリジナル)
MRIにおいて低減させることにより、SN比が増加するパラメータの名称を2つ挙げよ。
解答.
受信バンド幅、TE(エコー時間)
解説.
SNRの増減に関する問題は以下の事項を暗記しておけば、大体の問題に対応できるようになります。
まず一つ目は、
「SNRと反比例の関係にあるのは、受信バンド幅とTE(エコー時間)のみである。ただし、受信バンド幅は平方根に反比例。」
二つ目は、
「SNRは静磁場強度、加算回数(NEX)の平方根に比例する。」
三つ目は、
「上記の二つで述べたもの以外のパラメータはSNRに正比例の関係」
これら3つを覚えてば、参考書等に箇条書きで書かれてある、SNRと各パラメータとの関係の羅列を一生懸命丸暗記せずとも、大体のこの手の問題に対応できるかと思います。
ただ、「ざっくりし過ぎじゃん!こんな暗記の仕方できないよ。」や「自分は厳密に暗記しなきゃ気が済まない」という方は、教科書や参考書には数式等用いて、しっかり解説されています。(この記事では省略します。)
水強調画像・MRCP (診療画像検査学)
MRCPに関する問題は画像問題も出題されます。教科書、参考書等で画像を確認しておいた方がいいです。また、画像問題以外の形式で問われたときに対応できるように以下の項目くらいは知っておいた方がいいと思います。
・水強調画像(MR hydorography)は体内の水成分を高信号に描出する。
・撮像法はGREと高速SE法を用いる。TR,TEはできるだけ長く設定する。
・水強調画像の代表例にMRCPがある。
・強いT₂強調像(heavy T₂)にて胆管・膵管像が得られる(実質臓器の信号はほとんどない)。
・MRCP造影剤を使用しなくても撮像できる。
・造影剤を使用しなくてもよいため低侵襲な検査である。
・造影剤を使用する場合、使用する造影剤の種類は経口造影剤であるクエン酸鉄アンモニウムや塩化マンガン四水和物である。
・ERCPに比べ、MRCPは空間分解能が低い。
元素名と元素記号の組み合わせ(国試1日1問 5月12日 放射化学)
問.(第63回 午前 第1問)
元素記号¹⁴⁰Laの元素名は何というか❓また、元素記号²³⁹Puの元素名は何というか❓
解答.
Laはランタンという。Puはプルトニウムという。
解説.
この問題の選択肢になっていた元素記号と元素の組み合わせは、Pd-パラジウム、Pb-鉛、Ce-セリウム、Cs-セシウム、Ra-ラジウム、Rn-ラドンです。
ここから先は高校化学を履修していなかった、または化学に苦手意識がある方に向けて書いています。 ↓ ↓
この問題は高校化学を履修していなかった人は、一瞬ハッとしてしまいそうです。そういう人はおそらくこの手の問題に苦手意識のようなものを感じている人も少なからずいる事でしょう。しかし、落ち着いて選択肢を見れば、他の科目の勉強で慣れ親しんでいる元素たちだと分かるはずです。
確かに国家試験では、高校化学の知識を問うような問題が出題されます。高校で化学を履修していない人には酷なことかと思います。そのときに投げやりな気持ちになってはもったいないかと思います。国家試験勉強で身に着けた知識を総動員すれば何とかなる問題もあります。よかったら心を落ち着けて問題に向き合ってみてください。
ただ、高校化学の内容といっても、意外と出題パターンは決まっていてポイントを押さえて勉強(暗記)すれば人並み以上にできるようになる分野だと思います。本ブログでは放射化学の国家試験出題ポイントを紹介しています。この記事の上の方にうっすら付いている「放射化学」のタグを押していただいたら、放射化学の記事一覧が出てきます。よろしければ参考までにどうぞ。
BOLD法のよるf-MRI (5月11日国試1日1問・診療画像検査学)
問.(第69回 午前 第17問 改)
BOLD法によるf-MRIの特徴として、投影データの解析は必要か❓不要か❓また、脳局所の何の濃度が信号強度に影響するか?
解答.
投影データの解析は必要。デオキシヘモグロビン濃度が信号強度に影響。
解説.
MRA(脳血流情報を反映したMRI)にはf-MRI、p-MRI、d-MRI(DWI)、SWI、DTIなどが国家試験においては代表的です。中でも今回は、f-MRIについて解説します。
《f-MRI》
・f-MRI(ファンクショナルMRI)は機能画像ともいわれる。
・F-MRIはBOLD法を用いて画像化する。
・BOLD法は脳の賦活化による、オキシヘモグロビンの増加とデオキシヘモグロビンの減少を信号強度に反映させ画像化する方法。
・BOLD法にはGRE系のEPI法が用いられる。理由は磁化率効果を強調するためである。
・投影データの解析には統計解析ソフトウェアや差分処理を用いる。
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