友人たちとの勉強で学習効率を段違いにアップさせる方法 (雑談)
今回は、私が実際に効率がいいと思ってやっていた勉強法の一部を紹介します。この方法は、下級生のとき全く勉強していなかった私が「4ヶ月で模擬試験の点数を約50点上げる」ことを可能にした大きな要因の一つです、間違いなく。勉強法を解説した文章がなんかエラそうなのはご容赦ください。方法論を説明するにはこの方が伝わりやすいと思い、敢えてこのような文章になっています。ほんとにすいません。
国家試験の過去問を繰り返し解き、過去問の解答を暗記するだけでは国家試験に合格することは不可能ではないかと思う。確かに過去問集は、受験生が「受験生にとっての常識」を学ぶには最適な本だ。そして国家試験には過去に出題された問題がもう一度同じ形式または似たような形式で出題されている。これらの理由から過去問を演習することには大きな意味があることは間違いないが、この学習で獲得できる点数はせいぜい90~100点くらいのものだろう。合格点には遠く及ばない。この合格点に届かない状況を打開し120点の壁を超えるために、多くの人は過去問の選択肢一つ一つを参考書(または教科書)で調べながら、内容を掘り下げていかざるを得ない。結局多くの受験生は過去問+参考書で学習していく形に落ち着くことと思う。ただ参考書を用いた勉強はリスクがある。書いてある事柄が多く、細かい。出題頻度がかなり低いものまで書いてある。参考書は様々な学力レベルの学生に読んでほしくて書かれているわけなので当然だろう(中には国家試験対策と言いつつ、臨床で働く診療放射線技師の知識確認にも対応させています、なんてものもある。非常に広い範囲をカバーしている本といえる。)。しかし、これではどの文章や表や図を暗記したらいいか、勉強し始めたばかりのときはわからない。これによりどのような問題が生じるかというと、国家試験や模擬試験で出題頻度の低い知識事項に時間と労力をかけてしまう。これは受験生的には非常によろしくない。国家試験まで時間が限られているにもかかわらず、非効率的な勉強法をしてしまっている。このような事態に陥らないために手を貸してくれるのが友人だ。友人は自分が効率の悪いしなくて済むように、勉強の方向性がねじ曲がらないように正してくれることがある。時々でいい、勉強して覚える前の知識を友人に問題形式で口頭でよい、出題してみよう。同じ部屋で勉強している友人に、4,5人くらいで十分だろう。そのときに2,3人(50~60%)以上の友人がその質問に対し解答できたのなら、それはおそらく合格点を取るために必要な知識(診療放射線技師国家試験を受験する学生にとっての常識)と考える。一方で1,2人または誰も回答できないような質問は、とりあえずスルー。他に時間を割くべき暗記事項が間違いなくあるはずだ。そちらを優先すべきだ。時間のかかりそうな知識事項に直面したらこの方法を試しに実践してみてほしい。ちなみにこのやり方を使ってより効率を上げることもできる。それは、この方法を友人にも実践してもらうことだ。要するに友人に質問をしてもらうということ。たとえば、友人の質問の内容が受験生的常識だと発覚したにもかかわらず、自分がその質問に答えられなかったとする。その内容をノートにメモしていく。もしかしたら質問に答えることのできた友人(常識を知っていた友人)は、メモを取るあなたの姿を見て、あなたのために解説を添えてくれるかもしれない。もちろんその内容もメモする。この一連の作業により、あなたは自分で参考書を開くことなく受験生的常識(解説付き)を自分のノートにストックできるといった具合だ。これは別に友人を都合よく利用しているわけではない。この方法をシェアしているのなら、お互いさまなわけで、罪悪感を感じる必要はない。give and takeな関係なので問題ないだろう。むしろ友人と国家試験という難敵を打倒するために共闘しているのだ。なにも後ろめたいことはないと思う。
近くに友人がいないときはSNSを使うという手もありそうですね。
よろしければ感想や質問などコメントいただけると嬉しいです。
認知症(アルツハイマー病、レビー小体型、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン病)
核医学検査技術学で認知症はその検査法が出題されます。ですので認知症に対する基本的な知識は持っていた方がいいです。実際、67回国家試験では基礎医学大要にて出題されています。
《認知症の症状》
・症状は中核症状と周辺症状に分けられる。
・中核症状は必ず発現する症状。記憶障害、見当障害(日時、場所わからない)、失語(言語能力が障害)、失認(状況把握ができない)、失行(道具が使えない)などがこれに該当する。
・周辺症状の発現は心理状態などにより、個人差がある。不眠、徘徊、幻覚、うつ、暴力などがこれに該当する。
《認知症の原因》
・認知症の原因疾患にはアルツハイマー病、脳血管性、レビー小体型、パーキンソン病、ピック病、ハンチントン病(舞踏病)などがある。
・原因疾患の割合は1位:アルツハイマー病、2位:脳血管性、3位:レビー小体型・・・であり、1から3位までで9割を占めている。
・アルツハイマー病、レビー小体型、パーキンソン病は脳の変性疾患である。
・アルツハイマー病では海馬(側頭葉の内側)が委縮する。
・アルツハイマー病はアセチルコリンの減少、β‐アミロイドの異常な沈着による老人斑が見られる。
・レビー小体型は中枢神経系にレビー小体の出現がある。
・レビー小体型の症状は、幻視、動作緩慢など。
・パーキンソン病は黒質(中脳)、被殻(レンズ核)の神経細胞の脱落により起こる。
・パーキンソン病の症状は、手足の震え、筋肉の萎縮。
・パーキンソン病はレビー小体の出現がある。これのより、レビー小体型どの鑑別難しい。
5月9日 1日1問 診療画像機器学・散乱線除去用グリット
問.(第68回 午後 第10問)
同一グリッドであれば管電圧が低いほど露出倍数はどうなるか❓
解答.
露出倍数は小さくなる
解説.
グリットの性能はそれぞれの定義は似通ったものばかりで少々ややこしいです。違いを意識し頑張って暗記する必要があります。
《グリッドとは》
・散乱線をカットし、コントラストを改善する器具。
・中間物質とアルミ箔を交互に配列した構造になっている。
・中間物質にはアルミ、紙、木、合成樹脂が使用さる。
・グリッドには直線グリッド、平行グリッド、集束グリッド、クロスグリッドの種類がある。
・平行グリッドの集束距離は無限大。
・集束グリッドは箔の延長線が一直線上に集束。
《グリッドの性能項目》
・グリッド比は グリッド中心部における鉛箔の高さ(h)/鉛箔の間隔(D)
・グリッド比は吸収箔の間隔に対する吸収箔の高さの比、という言い方もされる。
・グリッド密度は 1/(鉛箔の間隔(D)+ 鉛箔の厚み(d)) [本/㎝]
・グリッド密度は中心部における1㎝当たりの鉛箔の本数、という言い方もされる。
・露出倍数は 1/全X線透過率 である(全X線透過率の逆数という言われ方もされる)。
・全X線透過率は グリッドがある時の全X線量/グリットなし時の全X線量 である。
・全X線透過率 < 1 となる。
・1次X線透過率は グリッドがある時の1次X線量/グリッドなし時の1次X線量 。
・散乱X線透過率は グリッドがある時の散乱X線量/グリッドなし時の散乱X線量 。
・コントラスト改善度は 1次X線透過率/全X線透過率 である。
・露出倍数、選択度、コントラスト改善度は管電圧を低くすると大きくなる(散乱線が減少するため)。
・グリッド比(格子比)が大きくなると露出倍数、選択度は大きくなる(露出倍数は一時X線透過率が低下するため、選択度は散乱線除去効率が上がるため)。
・グリッド比が高いと被ばくは増える。
感染症(病原体と疾患の組み合わせ)
覚えておいた方が良い感染の分類と病原体と疾患の名称の組み合わせを列挙していきます。(+αで重要事項を少々補足しているころまあります。)
今回の解説では、国家試験的には感染の分類と疾患の名称の組み合わせのみ知っていれば十分だと思われるもの(例えば、ペストは細菌感染である、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)はウィルス感染である、など)は省略しました。ですので、それらの項目は必ず手持ちの参考書等で確認しておいてください。
《細菌感染》
・ヘリコバクターピロリ ━ 胃潰瘍、胃がん
・淋菌 ━ 淋病
・軟性下疳菌 ━ 軟性下疳
《ウィルス感染》
・A型肝炎ウィルス ━ 肝炎
・EBウィルス ━ 上顎がん、バーキットリンパ腫
・ヒトパピローマウィルス ━ 子宮頸がん、尖圭コンジローマ
・成人T細胞白血病ウィルス(HTLV-1) ━ 成人T細胞白血病
《真菌感染》
・白癬菌 ━ 白癬(水虫、いんきん、たむし)
・カビ(かつてはカリニ原虫と考えられていた) ━ カリニ(ニューモチフス)肺炎
《原虫感染》
《スピロヘータ(特殊な細菌)》
・梅毒トレポネーマ ━ 梅毒
・ボレリア(マダニによって媒介される) ━ ライム病
《プリオン病(感染性タンパク)》
・異常プリオン(脳・脊髄で汚染された牛肉を食べることでおこる) ━ 狂牛病(牛海綿状脳症 / BSE)
FPD(フラットパネルディテクタ)
今回はFPDの解説をします。苦手な方は、一度教科書の図でFPDの構造、原理を見てから読むことをお勧めします。その方がスムーズに理解できると思います。
《FPD》
・FPDは入射X線を電気信号(電荷)に変換し、画像を出力する半導体検出器。
・構造的にはX線変換部(検出部)と信号読み取り部(TFTスイッチングアレイ)とが一体となった構造をしている。
・リアルタイムでの観察が可能。
・静止画像・動画像両方に対応。
・パルス透視に対応している。
・FPDは増感紙ーフィルム系、I.I-TV系に比べダイナミックレンジが広い(直線性良好)。
・大視野で歪みがない。
・小型・軽量、経年変化少ない。
・一般撮影用FPDの画素サイズは100~200µm。
・乳房用FPDの画素サイズは50~100µm。
・画像指標にDQEを用いる。(FPDのDQEは高い)
・均一性の維持のため、定期的に感度補正(キャリブレーション)を必要とする。
・感度補正の方法にはオフセット補正、ゲイン補正がある。
・オフセット補正はX線照射前と、照射後の画像を減算する補正法。
・ゲイン補正はX線を均一に照射した画像の各画素ごとの補正係数をそれぞれ求める補正法。
・FPDのX線変換方式には直接変換方式と間接変換方式がある。
《直接変換方式》
・アモルファスセレンの厚みは500~1000µm。
・直接変換方式の読み出し部分はアモルファスシリコンTFT(薄膜トランジスタ)スイッチ。
・間接変換方式に比べ解像力が良い(直接電荷に変換するため)。
《間接変換方式》
・入射X線をシンチレータで一度光の信号に変換し、その後電気信号に変換する方式。
・シンチレータにはCsI:TlやGd₂O₂S:Tbが用いられる。
・シンチレータの厚みは400~600µm。
5月8日 国試1日1問 基礎医学大要(自己免疫性疾患)
問.(第65回 午後 第16問 改)
黄色肉芽腫性胆嚢炎、シェーグレン症候群のうち自己免疫性疾患でないのはどれか。
解答.
黄色肉芽腫性胆嚢炎
解説.
この問題は黄色肉芽腫胆嚢炎に関する知識を問う問題ではないと思う。この問題は自己
免疫性疾患に関する知識がどの程度定着しているかを問う問題だと考えられる。よって、今回は自己免疫性疾患について解説する。自己免疫疾患には全身性のものと臓器に特異的なものとがある。まずは全身性の自己免疫疾患から紹介する。
そもそも全身性の自己免疫性疾患は膠原病と呼ばれる。
《膠原病》
・全身性エリテマトーデス(SLE)
・強皮症
・関節リウマチ
・シェーグレン症候群
・多発性筋炎
・多発性皮膚炎
・リウマチ熱
・重症筋無力症
次に、臓器に特異的な自己免疫疾患を紹介する。
《臓器に特異的な自己免疫疾患》
・橋本病(甲状腺)
・クーロン病(消化管)
・潰瘍性大腸炎(消化管)
・Ⅰ型糖尿病(膵臓)
・自己免疫性溶血性貧血(血液)
異常が自己免疫性疾患の代表例になります。これらの疾患の名称は確実に覚えてください。ただ、これらの疾患の中には名前を知っているだけでは国家試験的に不十分だというものもあります。それに該当する疾患に関する出題ポイントを後半は解説していきます。
《膠原病》
・女性に多く、とりわけ若い女性に見られる疾患。
・膠原病で患者数が最も多いのは関節リウマチ。
・シェーグレン症候群は涙腺や唾液腺が障害され、機能(分泌)低下を起こす。
・リウマチ熱は心内膜炎、心臓弁膜症の原因。
・重症筋無力症は神経の刺激が筋肉に伝達されないことで起こる筋力低下。
《臓器に特異的な自己免疫性疾患》
・バセドウは甲状腺機能亢進症であり、橋本病は甲状腺機能低下症。両疾患はホルモンが関係する疾患である。詳細は他のホルモンが関係する疾患を紹介する際に一緒に掲載する。
・クーロン病と潰瘍性大腸炎は比較しながら頭に入れておいたほうが良い。クーロン病は多くは回腸から広範囲に、病変が不連続的(飛び石状)に広がる 。10歳後半から30歳前半の人に発症する。一方で、潰瘍性大腸炎は直腸から広範囲に、病変が連続的に広がる。20歳前後の男性に好発。