診療放射線技師国家試験要点まとめ&国試1日1問(解説付き)

合格点取るために必要かつ十分な知識、ムダのない効率の良い勉強をサポート…を意識した要点まとめ

5月9日 1日1問 診療画像機器学・散乱線除去用グリット

 

 

問.(第68回 午後 第10問)

同一グリッドであれば管電圧が低いほど露出倍数はどうなるか❓

 

 

解答.

露出倍数は小さくなる

 

 

解説.

 

グリットの性能はそれぞれの定義は似通ったものばかりで少々ややこしいです。違いを意識し頑張って暗記する必要があります。

 

《グリッドとは》

 

・散乱線をカットし、コントラストを改善する器具。

 

・中間物質とアルミ箔を交互に配列した構造になっている。

 

・中間物質にはアルミ合成樹脂が使用さる。

 

・グリッドには直線グリッド、平行グリッド集束グリッド、クロスグリッドの種類がある。

 

・平行グリッドの集束距離は無限大

 

・集束グリッドは箔の延長線が一直線上に集束。

 

《グリッドの性能項目》

 

・グリッド比は グリッド中心部における鉛箔の高さ(h)/鉛箔の間隔(D)

 

・グリッド比は吸収箔の間隔に対する吸収箔の高さの比、という言い方もされる。

 

・グリッド密度は 1/(鉛箔の間隔(D)+ 鉛箔の厚み(d)) [本/㎝] 

 

・グリッド密度は中心部における1㎝当たりの鉛箔の本数、という言い方もされる。 

 

・露出倍数は 1/全X線透過率 である(全X線透過率の逆数という言われ方もされる)。

 

・全X線透過率は グリッドがある時の全X線量/グリットなし時の全X線量 である。

 

・全X線透過率 < 1 となる。

 

・選択度は 1次X線透過率/散乱X線透過率 である。

 

・1次X線透過率は グリッドがある時の1次X線量/グリッドなし時の1次X線量 。

 

・散乱X線透過率は グリッドがある時の散乱X線量/グリッドなし時の散乱X線量 。

 

コントラスト改善度は 1次X線透過率/全X線透過率 である。

 

・露出倍数、選択度、コントラスト改善度は管電圧を低くすると大きくなる(散乱線が減少するため)。

 

・グリッド比(格子比)が大きくなると露出倍数、選択度は大きくなる(露出倍数は一時X線透過率が低下するため、選択度は散乱線除去効率が上がるため)

 

グリッド比が高いと被ばくは増える