診療放射線技師国家試験要点まとめ&国試1日1問(解説付き)

合格点取るために必要かつ十分な知識、ムダのない効率の良い勉強をサポート…を意識した要点まとめ

FPD(フラットパネルディテクタ)

 今回はFPDの解説をします。苦手な方は、一度教科書の図でFPDの構造、原理を見てから読むことをお勧めします。その方がスムーズに理解できると思います。

 

《FPD》

 

・FPDは入射X線を電気信号(電荷)に変換し、画像を出力する半導体検出器。

 

・構造的にはX線変換部(検出部)と信号読み取り部(TFTスイッチングアレイ)とが一体となった構造をしている。

 

・リアルタイムでの観察が可能。

 

・静止画像・動画像両方に対応。

 

・パルス透視に対応している。

 

・FPDは増感紙ーフィルム系、I.I-TV系に比べダイナミックレンジが広い(直線性良好)。

 

・大視野で歪みがない。

 

・小型・軽量、経年変化少ない。

 

・一般撮影用FPDの画素サイズは100~200µm。

 

・乳房用FPDの画素サイズは50~100µm。

 

・画像指標にDQEを用いる。(FPDのDQEは高い)

 

・均一性の維持のため、定期的に感度補正(キャリブレーション)を必要とする。

 

・感度補正の方法にはオフセット補正、ゲイン補正がある。

 

・オフセット補正はX線照射前と、照射後の画像を減算する補正法。

 

・ゲイン補正はX線を均一に照射した画像の各画素ごとの補正係数をそれぞれ求める補正法。

 

・FPDのX線変換方式には直接変換方式と間接変換方式がある。

 

 

《直接変換方式》

 

・直接変換方式はX線を直接電気信号(電荷)に変換する方式。

 

電荷に変換するのにアモルファスセレンを用いる。

 

アモルファスセレンの厚みは500~1000µm。

 

・直接変換方式の読み出し部分はアモルファスシリコンTFT(薄膜トランジスタ)スイッチ。

 

・間接変換方式に比べ解像力が良い(直接電荷に変換するため)。

 

 

《間接変換方式》

 

・入射X線をシンチレータで一度光の信号に変換し、その後電気信号に変換する方式。

 

・シンチレータにはCsI:TlやGd₂O₂S:Tbが用いられる。

 

・シンチレータの厚みは400~600µm。

 

・間接変換方式も読み出し部分はアモルファスシリコンTFT(薄膜トランジスタ)スイッチ。