CR装置 (診療画像機器学)
《CR装置とは》
・CRはIP(イメージングプレート)にX線像を記録してから出力するまでのシステム。
・IPには輝尽蛍光体(BaFX:Eu²⁺,Xはハロゲン)が使用されている。
・IPは白色光を照射することで画像データを消去できる。これによりIPは繰り返し使用できる。
次は撮影に用いたIPのデータを読み取り、出力するまでの過程を解説する。それぞれ構成する部品の名称と役割は重要事項です。
《CR読み取り装置》
・はじめにIPを読み取り装置にセットする。
・ポリゴンミラーを用いてレーザー(赤色)を横方向に走査。レーザーをIPに照射し、輝尽蛍光体を励起する。
・レーザーにより励起した輝尽蛍光体は青紫色に発光する(波長約400nm)。
・発光した青紫色の光は集光ガイドにより集められ、光電子増倍管(PMT)に取り込まれ増幅される。
・青紫色の光の波長はPMTの感度域に一致している。したがって、選択的に輝尽発光のみを読み取ることができる。
・PMTで増幅された信号はA-D変換器を経てデジタル信号として出力される。
さいごに、国試に出るCR装置の特徴を列挙しておきます。以下の事項を押さえておくことで、対応できる選択肢の幅が広がると思います。
《CR装置の特徴》
・読み取り用のレーザー(赤色)には、He-Neレーザー、半導体レーザーが使用される。
・読み取り用の赤色レーザーの波長は約600nm。
・CRは読み取り装置が別になっているため、FPDのようにリアルタイムでの観察はできない。
・増感紙―フィルム系に比べダイナミックレンジが広い。
・X線CTに比べ高空間分解能。
・両面集光方式では、検出効率が向上する。
・読み取りの画素サイズは、一般撮影用で100~150µm、乳房撮影用では50µm。
・CRでは自動感度調整機構(EDR)による処理もなされる。(その他にも階調処理、周波数処理なども行われる。)